2007年2月9日金曜日

僕僕先生 / 仁木 英之

僕僕先生
僕僕先生仁木 英之

おすすめ平均
stars戯言シリーズ+封神演義?の面白さ
stars歴史、冒険、恋愛の見事なコラボ
stars壮大なスケールのファンタジー
starsファンタジーより歴史小説として期待せよ!
starsライトヘビー級

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場所は中国大陸、時代は唐の時代。則天武后の御世から時代は経て、唐の絶頂期、玄宗がまだ楊貴妃と出会う前のお話。
地方官僚で財を成した父親の元で暮らす王弁。彼は父親の財産で食うに困らぬだけの生活が出来ると悟った瞬間からニートになったのだが、父親とは当然意見の相違があるわけで、物語の冒頭から言い争いの日々をしたりしてみたりする。ある日、父親が山間に住むという仙人に手土産持参で会いに行け、あわよくば不老不死の方策を聞いてこいと彼を送り出すのだが、彼の目の前に現れた仙人こと僕僕先生とは、黒髪の長い美少女だったものだからして、どうなるよ、これ。といったお話し。

大体、僕僕先生、酷すぎます!(w あざとすぎっすよ!

辛辣毒舌美少女でいて、あげくの果てに自分の名を呼ぶとき「ボク」ですよ、大概にしとけー!と読んでいて突っ込みをいれること度々。目の前に可愛い姿でいたとしても齢数百年。ちょっと姿を変えれば大抵の人が想像する白髪三千畳の見事な老人に。

それでいて、露天風呂で浴衣姿でそのままに王弁と入り、劣情をたぎらせる王弁とあわや…というところで自分の正体を思い出させたり、それはひどい、ひどすぎる!(w

作者の豊富な知識のためか、するすると唐の時代の歴史上の人物が現れてくる。登場人物の口からも歴史上の人物の名前が出てくる。「後漢の時代、魏王が呂奉先と戦ったおり…」って、ああ、最初はて?と思うほど中国の歴史モノから遠ざかっていたのだが、途中、アレがアレになるところでああ、そうだ。呂布ね。字が奉先だったっけ。と思い出す。

唐の時代のロードムービーだし、道教のからみもでてくる。その上、僕僕先生と王弁との淡い恋愛ものだし、そういう意味ではファンタジーといえばファンタジー。

正直中国の歴史モノはあまり読んでいなくて、読んでいてもかなり前の話だったりするのだが、意外や意外、すんなりの読めましたよ。それに面白かった。

そうそう中国歴史モノ、ライトノベル風味で…となれば、唐の時代から遡って隋末期の時代の話のコレだろう。
風よ、万里を翔けよ風よ、万里を翔けよ
田中 芳樹

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田中芳樹氏の中国モノのはしりだったなー(遠い目)



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