2007年12月19日水曜日

なんたる茶番劇。

「ダウンロード違法化」がほぼ確定,録音録画に加えソフトウエアも対象に,私的録音録画小委員会で文化庁が方針を示す from Tech-On

「ダウンロード違法化」不可避に from ITmedia

北の大地から送る物欲日記」 さんのところから。

なんたる茶番劇。

ニュースを読んで思ったのは正直、そんな感想。じゃ、パブリックコメントの意味ないじゃんよ。と思ったのは以下のくだり。上はTech-On。下はITmediaからの引用。
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 こうした議論を受けて,文化庁著作権課の川瀬真氏は「意見募集に多くの反対意見が集まったことは重く受け止めているが,第30条の見直しは諸般の事情から避けられない。具体的な被害額に結びつくかどうかという点には異論はあるだろうが,現実に適法配信を超える規模の違法配信が行われている」と,見直しを進める方針を明らかにした。
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 ユーザー保護の施策として、委員会で文化庁が提出した資料では、法改正がなされた場合の周知徹底や、適法サイトを示すマークの普及などを提案。「知らずに違法サイトからダウンロードした」といった事態を避けられるよう、「権利者も政府も汗をかいて努力」し、合法サイトを簡単に見分けることができる仕組み作りをするという。
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「諸般の事情」と「明示されない被害額」「汗をかいて努力」なんて抽象的な話じゃなくて数値で出してほしいな。なんだか、すべてが「なんとなく」で決めてないかな。

音楽が売れていないのであれば、その理由がカジュアルコピーなのか違法ダウンロードかを立証してほしい。単に買わなくなっただけじゃないのか。

極論だが、この手の議論で違法着メロが問題だというのであれば、携帯メーカーと連携して、携帯電話から特定(つまり、著作権料を正式に払う音楽販売サイトからの)ダウンロードのみの機能に限ればいいだろうに、と思う。つまり、携帯の着メロはすべて購入。というパターンをとればいいだけの話だ。全員が否応なく買うのであれば徴収する金額は少なくても済む。

蛇口を閉めずに、水に混ざるお湯をくみ上げようとしている行為だぞ、これは。

ま、さらに書けば多分「適法サイトを示すマーク」を普及する外郭団体が出来て文科省あたりの天下り先になるんだろーなー、なんていうのまで目に浮かぶのは心が荒んでいるせい?

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技術の革新に人々の倫理観が追随していないのは確かではある。
権利者はユーザーがP2Pのカジュアルコピーや、ニコニコ動画で勝手に参照していることを権利の侵害であり、売れ行きを阻害している要因だと思っている。
ユーザーは、むやみやたらな課金や理不尽な要求が、P2Pやニコニコ動画に走らせる理由で、にもかかわらず、ニコニコ動画などで成功している一部の作品をとりあげ、成功の理由だと囃し立てる一面もある。

ユーザーの意識は水のごとく低きに流れる一面があるのは確か。CDを購入する3000円が惜しければ、レンタルCDショップで300円で借りて、それも惜しければ、PCをつないでP2Pでダウンロードするのはごく一部の人とは確実にあるだろう。だからといって、一部をもって全部をなすには暴論にすぎる。

自分の中では、クリエイター ≠ 権利者 なんだよね。正直、権利者は中間搾取層にしか見えていない。権利者はクリエイターの権利を守るといいつつ、どのように守っているかが明らかではないと思う。
(おっと、この点について調べが足りてないからだろう。という指摘があればそれは正直に受けるけど)

中間搾取層に対して金をよこせといわれれば、そりゃカチンとくるよね。正直。じゃアンタらに払った金は正しくクリエイターたちに分配されているのか。という気にもなる。
いっそのこと、投げ銭やパトロンのような形で応援できればいいのだが、だが、これもクリエイターの立場ってものがあるかもしれない。

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このような問題に対して消費者(ユーザー)の声が届けられるのはパブリックコメントしかない。
だがしかし、パブリックコメントがキレイにスルーされたら、どう対応すればいいのか。
(ひょっとして、自分もそうだったがフォーマットに即した形がマズかったのか? と思うわけでもない)

ユーザーは呆れて、次のこの手のパブリックコメントに対して積極的になるのだろうか。

次にさらに問題のある事案が委員会の手にかれられたときにパブリックコメントに労力をそそぐだろうか。そうには思えない。だって、7500通がスルーだったら次は1万でも超えないと駄目なのか? という気もする。そもそも数ではなく質の問題だ。というのであれば、どう書けばいいのよ。

そういう消費者の倦怠感とかが発生するであろうとか考えて(流石に邪推にすぎるけど)パブリックコメントをあつめてのスルーだったら…とか思ってしまうね。

ユーザーのほうを向いていない商売が成立するのだと思っているのであれば、権利者の傲慢だ。
権利者の向うにあるクリエイターの姿を想像できないのであれば、ユーザーの傲慢だ。

権利者が求めたCCCDはクリエイターにとっても消費者にとっても悲劇だった。
二度目はどんな悲劇が巻き起こるかな。

なんたる茶番劇だね、こりゃ。 


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