「『新兵器最前線』シリーズ5 世界のハイパワー戦車&新技術」
※12/13日現在、Amazonには登録されていない雑誌扱い? の書籍のため、出版社のサイトへリンクをはっています。
「軍事研究」で取り扱われた戦車関係の記事を集めたやつ…だよな。
月刊でチマチマ見るより、こうやって集められたほうがこっちとしてはありがたい。確か次には空母ネタだったかな。
ともかく、内容はここ最近の戦車で使われてるヴェトロニクス関係とか、まー、M1A2、レオ2A6、チャレンジャー2、メルカバMk4とか世界のMBTとか、最近公開された韓国のXK2ブラックパンサーなどなどの紹介とか最新の戦車導入予定とかテクノロジーが触れられている。
一時無用の長物と化しつつあると考えられた戦車だけど、イラク戦争やイスラエルなどでそれまで不適とされてきた市街地における有効性も認識されつつある(っていうか、適切な指揮系統と緒兵科連合があればね)。
その一方で対戦車兵器の効果も上がってきた。つい最近でもヒズボラにイラスエルがてこずったケースもある。この場合はRPG-29のタンデム弾頭だったけど、イラク戦争ではお手軽かつ厄介なIEDによる被害も続出。これは中々難しいよ。対戦車歩兵の命の値段を考慮しないのなら、確かにキル・レートのわりがあわない。
とはいえ、対テロ戦では戦車は歩兵にとっての盾であり、見張りであり、破城槌としての役割にもなる。
無論、正面きっての殴り合いも必要だし、そこらへんお国がらとかが見えて色々と興味深い。
一時、駄作扱いをくらって「高すぎる」とか「使えねー」呼ばわりされていた日本の90式戦車も現金なもので世界の戦車ランキングで二度も三位につけていたら評価がコロリとかわりつつあるようで、この本でも90式の評価がされているので興味深い方は是非。
一時は「橋も渡れない」とか「川底の石で穴が開く」(創竜伝ネタをここまで引っ張るってのも・・・)とか言われていたのにね、現金なもんだ。というのがあるんだけど。
90式戦車の場合は紛れもなく北海道を舞台にT-72の無停止進撃に対抗するためのガチンコ目的としての120m搭載であり装甲などで50t近い重さになっている、それが間抜けな目的であるかは、90式の仕様が確定した80年代に遡れば、その当時のMBTのトレンドがいかがなものかを考えてそう突飛なものでもなく、先進的ではないにしても手堅く目的を絞ったシロモノだったともいえる。
ましてやルクレルクの前に早々とモジュラー装甲概念を取り入れたことなど、部分によっては先進的な面もあるぐらいだ。ヤキマ演習でアメリカに持ち込んだ90式が3kmの遠距離の行進間射撃で初弾命中というある意味とんでもないことやらかしているという話もある。
(無論、他の戦車と優れている点がある理由は最後発であったことが最大の要因だし、今問題になっている電子兵装について手付かずなのは更新もしないであっさりとTK-Xに注力しているせいでもある)
戦車というか兵器というシステムはそうだけど、生産国のドクトリンとか、もっというと国民の中にある無意識での戦術思想とかが出てくるので面白い。単なるスペックだけではなくて、それがどういう目的で作られたか、とか考えると、安易に日本に導入するってのはちょっと考えたほうが…ねぇ、アパッチ13機で導入中止なんて…導入決めた人、内部で更迭の憂き目にあっているとかいないとか。高ければいいってわけじゃないんだから・・・。
無論、なんでもかんでも国産マンセーっていうわけではなくて、日本のおかれた環境でモノを考えようね、と。思うわけですよ・・・。
そんなわけで、日本の国情が色濃くでる陸上兵器で今注目されている74式戦車の後継となるTK-Xがどんなシロモノになるか、実はwktkしてまっているんですが。これが軍オタの血をもつ罪…。
戦車とかに興味があって最近のトレンドをざっくり纏めて読みたい人向きです。
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