北方領土奪還作戦 2 (2) (C・Novels 34-68) | |
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日本はサハリン州知事との密約によりKE作戦を実行。悲願である国後・択捉の奪還を行った。控えめながらも翻る国旗。着々と運び込まれる装備と物資。
しかしロシア空軍による戦爆連合部隊が襲い掛かろうとしていた。
練度不足、機材整備不足のままの戦爆連合部隊に対して航空自衛隊はオホーツク海で迎撃。見事に撃退するが、隊長以下二名のパイロットが機体を捨てて脱出する。
再びサハリンを舞台にロシア正規軍、サークルシティと呼ばれるサハリン企業都市の自治警備部隊、自衛隊の思惑入り乱れる羽目に…。また、領土奪還に燃える海軍歩兵も投入されようとしていた。
一方、体制を立て直したロシア空軍は練度の高いパイロットを揃え、機材を整えて再び国後・択捉沖にいる海上自衛隊の部隊に襲い掛かる。待ち受ける「ひゅうが」以下海上自衛隊の艦隊。冷戦時代恐れられていた旧ソ連時代からの対艦ミサイル飽和攻撃に対して彼らの秘策ともいえる迎撃方法は…。
というわけで、久しぶりのコンベンショナルな戦いが繰り広げられることになった今回の作品。無論サハリンを舞台にしては従来のサイレント・コア作品同様、コマンド部隊の衝突が描かれてますけど、国後・択捉に展開する海上自衛隊・航空自衛隊とロシア空軍による戦爆連合との対決が今回の前半、後半の山場だったりします。
実際、この本でも「たかなみ」などのミニ・イージス能力をもつ艦が出ていますが皮肉なことに戦爆連合の対艦ミサイル飽和攻撃に対応するイージス艦が弾道ミサイル能力を付与されてしまったことで、イージス艦に対しての防空+護衛を補佐する艦艇が必要になるという…なんというか、歴史の皮肉というか巡洋戦艦に対する重巡か軽巡か。という展開になってはいますね。自衛隊の奇策というか、対艦ミサイル迎撃方法も中々興味深いものがありますよ。
さて、打つ手があまりなくなったロシア首脳部は物騒な方法にうってでようとしています。日本も果たして振り上げた拳をどこで収めることが出来るのか。よもや最後までアメリカ頼みなんてバカな展開ではあるまいな、とは思いますが、一方のアメリカもアメリカでさっぱり姿が見えてこない。よこしまな考えではロシアと日本の共倒れを狙うような気もしないでもなし。
というわけで、続きに期待しておきましょう。もう二、三度正規軍間でのガチンコ対決がありそうですしね。
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