2008年2月16日土曜日

TK-X雑感色々。

またまたTK-Xネタ。ここのところ、アレコレと見ていたのでちょっとしたファーストインプレッションのまとめ+アルファの備忘録で。とんちんかんなこと書いているかもしれないから、あまり真に受けないでくださいね・・・。あと、すごい長くなってのでご了承を。

・「レオ2A5(6)」に似てない? っていうか、74式から90式になったときに砲塔装甲が直立したのは被弾経路の問題が意味がないからだっていうけどアレはなに? あと側面がルクレルクっぽいんですけど、現行MBTのイイトコ取りなだけ?」
 まぁ、似てるといわれれば似てるよね。役割は若干違うと思うけど。レオ2A5砲塔前面の楔形のショト装甲については中身が知られていて、中は間仕切りされた空間だけな形になっている模様。
どうも空間装甲+前面の複合装甲のカバーくさいんだけど(これについてはどうだっけ)。

で、TK-Xはちょっとコンセプトが違うように見えるんだよね。多分、砲そのものが砲塔下部よりに設置していることで、ハルダウン(地形を生かした掩蔽)時の露出面積から見れば、あの楔形装甲上辺がちょうど露出する形となる。
で、ここ最近のレーダー波反射の問題とか考えればある程度傾斜しておくにこしたことはないよね。そんな感じじゃないかと。ま、これはミリ系雑誌の専門家たちの意見を聞くとしようかと。



あと注目すべきは砲の根元の防楯や装甲の1つあたりの広さ! 
http://angrif.hp.infoseek.co.jp/tkrankf.htm
上は世界の戦車ランキングの画像だけど、ルクレルクの画像とよく見比べると、装甲の1ブロックが極端に大きいのがわかる。これってルクレルクも複合素材によるモジュラー装甲で、細かいブロック(バルク)に分かれているんだけど、90式も大きければ、TK-Xは輪をかけてでかい。
また大抵の戦車の防楯が小さいのはここに弾が当たった場合、結構な大ダメージが起きるから、守れないならできるかぎり小さくしておこう…ってなスタンスらしいのだけれど、90式もTK-Xも比較的大きくとっている。
これって日本の複合素材生成技術が高いせいだと思うけど、20年の歳月はブロックの重さを軽減しつつ能力の現状維持、あるいは向上を可能にしている…ことの自信の表れ、かも。
あと砲塔側面は、RPG-7みたいな対戦車ロケット攻撃などに対応してるかなー。あの部分まで複合素材のモジュラー装甲しているかどうかはわからないし、単に空間装甲(二重の装甲の間に空間…ま、工具箱とか入れるらしいけど…があるとRPGのような成形炸薬弾にわりと有効)なのか…でも、大きくとっているよね。
※防衛省が公開したビデオには砲塔側面の装甲を取っ払った姿のまま、120mm砲の試射シーンがあって、これまた「ええっ!?」な画像なんだけどこれは後述。側面のアレはモジュラーくさいですね。
http://link.brightcove.com/services/player/bcpid1343712625?bclid=1363192037&bctid=1415680607

あと砲塔がらみで言えば、目につくのはセンサーの多さ。車長席のハッチ裏にあるのはCCDカメラ+ミリ波レーダー?とか、結構多いですね。
・「ロシアの戦車とか、韓国の戦車みたいにRPGにアクティヴ防御は搭載してないの?」
アレーナ・システムとか、よくよく考えると電波ただ漏れだよね。だってミサイルの接近を察知するのにレーダー波かレーザー感知しか手がないからね。戦車から放出されるシグネチャ(電波、赤外線、雑音など様々な外部にただ漏れする雑信号)は低いにこしたことはないから、やっぱりセンサー系は基本パッシヴ(受動)系だよね。お隣のやつはどうもシグネチャ全開っぽいけど、あれはあれで仮想敵考えれば正解かもしれないなぁ。でも日本だとどうかしらんねぇ。
90式にもレーザー感知センサーがあったのだからTK-Xにも同様のシロモノがあると見ていいはず。で、あとパッシヴ防御の自信ほどは先の複合装甲ブロックの大きさでも触れたので、割愛。
・「肝心の砲が120mm44口径っぽいよね。レオ2A5とかお隣の国の戦車とか長砲身120mmなんだけど…弾頭の威力は口径の大きさに比例するんなら、威力不足じゃない?」
その条件が成立するのは同じ弾頭+炸薬の場合なので比較するのはあまり…。長砲身ってあまりいい評価を受けてないんだよね。砲が長いと取り回し大変でしょ。折角全長を90式サイズから74式サイズへと短くしたのにね。あと、TRDIの技術資料等ではラインメタル製ではなくて、ようやく国産らしい。(一部はライセンス生産とのこと)あと弾も新型弾だということです。
 で、前述のビデオを見て口あんぐり。120mmぶっ放して、その反動かよ!!っていうシーン。だって側面装甲取り外しているから確実に44tより下回った車重で120mmの発射インパクトを受け止めてるんだよ。アクティヴ・サスで受け止めているって話だけど、とんでもないです。
・「軽くて小さくて砲も従来のままじゃ、世界最強じゃなくね」
…世界最強って、戦車天下一武戦会とか戦車流鏑馬大会とかでもあるんかね。あれば金払って万難排してでも見に行くけどさw
 90式から比べてみると、6トンの重量軽減、パワーパックは90式相当で考えると、90式譲りのダッシュ能力は向上。120mmの発射時衝撃を緩和するためのアクティヴ・サス導入で、実は90式でオミットされた左右の車高変化も可能。
 ついでに公開された動画を見るに砲のジャイロ機能も中々のもの。元々暴露面積はレオ2やM1に比べて小さかったけど、全幅サイズに変化がないのでこれまた小さいでしょう。で、武装の120mmは90式より威力増し。他国のMBTが従来戦車の改良で息を伸ばしているのに、日本だけが何を考えたか最新戦車トレンドを吸収して「一から」作り上げたので、wktk度向上ってカンジっす。自分の中では。
戦車は、その国の事情を加味して作られるのだから、日本で日本国内で運用することを目的としたものを作って、最新の技術トレンドを盛り込んだのであれば、用兵サイドの要望の大半はクリアできてるんじゃないのかな。
・「90式とか改良したほうがよくない? っていうか7億って高いの? 安いの?」
…あのキヨタニさんが74式とか90式改良したほうがいいとか言ってらっしゃるようですが、アメリカのM1A1をM1A2SEP(C4Iなど対応した最新型)にするのに5億8千万円するらしいんですよ。もう、ほとんど作り直しているのと一緒ですな。
 90式の改良がC4Iとかの部分でどれだけの価格になるかはわからないけれど、まぁ半値ぐらいだとしてもTK-Xの値段がほんとに7億程度で済むのなら、改良するより作ったほうが費用対効果考えるとどうかしら?とか思うんだけど(寿命も延命、センサー最新式、量産効果さらに増加でね)
あと価格については、自国生産で7億。90式が初期に10億、現在8億程度なんだから、まぁいいんじゃないですか、と思いますよ…まぁ、7億が希望的観測だとしてもね・・・。
・「戦車なんて要らないですよ。そもそも上陸された時点で終わりじゃん。第一、戦車をゲリコマ用にどう使うんだよ」
…「萌え陸自」でも読んでくれ。といいたいけれど、簡単に言うと戦車がある限り、相手も戦車が必要でしょ? いっておくけど自分は装輪装甲車万能派ではないので、RPGに対して有効な防御を果たせない装甲車輌の活動は限定されると考えておりますのであしからず。あればいいなとは思うけど戦車の代替は利かないよね。まぁ、なんかまた狂気のマッドサイエンティスト集団みたいなTRDIが三菱と組んでやってるらしいんだけど…>装輪関係。
 で、話を戻すとRPGは安価なんだけど戦車に対しては必ずしも有効ではない。この国に戦車がある以上、相手も上陸させないといけないってこと。
 ついでにいうと、日本の長い海岸線はオーストラリア以上なので、(島嶼部になるとは思うけど)限定的な上陸は防げないって自分は考えております。えっ? 衛星があるから丸見えだろうって? いや、あの…そう思えるなら幸せですよね(汗;) 24時間365日、すべての領海内をワッチできると思うのならそれはそれで幸せだよねー。
 ゲリコマ対策でいえば、イラク戦争やイスラエルが戦車+歩兵の組み合わせで市街地でも効果を上げているし、前述の通りRPGにも抵抗できる装甲車輌があるだけで、歩兵と組み合わせると猟犬のようにゲリコマを狩り立てることが出来るでしょう?
何しろ、高度なセンサーがあって歩兵が隠れるような遮蔽物に相当する装甲があり(もしくは引きつけられる存在であり)、万が一には120mmで直接火力支援が行えるんだから。
まぁ、ドラマみたいな攻勢防御みたいに敵コマンドの行動前に事前に味方コマンド投入…なんてはいかないから、事が起きたあとで、たとえば山地に立てこもったとしても戦車+歩兵の組み合わせてで狩り立てるような形になるんだと思うんだよね。
まぁ、そんなわけで20年近くぶりに作られた最新戦車ですよ。まだまだ形状はかわるでしょうが(90式の試作車輌を見ているとね)、そのコンセプトや技術などには興味ありますね。

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