2007年1月2日火曜日

Landreaall 9巻 / おがき ちか

Landreaall 9 (9)Landreaall 9 (9)
おがき ちか

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DXは父親がなくなったことを知ったものの故郷に戻ることを逡巡するリドの後押しをする。妹のイオンは天馬(ペガサス)の出産に立ち会うことになり、帰郷がすこし遅れることに。その間、DXはとうとう見合いの場に引きずりだれることになるのだが…。
一方、故郷に戻ったリドからDXには、アカデミーを去ることを告げる手紙が届けられる。リドは故郷である問題に遭遇していたのだ。リドのためにDXはある決意をする…。

というわけで、9巻。いやー、長いね。でも面白いし! この物語を読むと本当にあちこちに散りばめられた伏線や登場人物たちの立ち振る舞いが、あとあとの展開に利いてくることがわかる。今回は、登場時点からアレ? と思っていたリドとDXの関係。いきなりの展開じゃなくて、ちゃんと伏線がそこにあるから、気がつくと「あー、そうくるかー」と思ってしまうわけですね。あと重要なのは、1巻から延々と引っ張っていたDXの見合い問題とその相手がとうとうはっきりする。あー、フラグだよねー、これ。とか思うんだけど、いささか心の根が不純か。

一方で相変わらず手馴れた作者によるストーリーの種まきが行われており、王位継承権問題をかかわる「円卓会議」が行われ、そこでは老齢の王権代理者が生まれようとしていた。なぜ? DXの後見に近い立場でもあるアンの思惑とは? いやー、いい感じですよ。

そして、今回のクライマックスは二つ。またもやDXの勘違いなんだけど、いい感じの関係になりそうなメイアンディア(ディア)とのエピソード。そして、寮相談役からDXに対する辛辣かつ的確な指摘シーン。
DXは本心からリドに対して言葉をかけたが、その言葉にそれほどの意味があるとDXは思わず、なおかつ、リドはそれを知りつつ、その言葉を胸に故郷に戻ったとしたら。その言葉をかける行為そのものが、彼らがいるアカデミーの思惑通りだったとしたら? 
「いい教訓になっただろう?/君は案外王様に向いてるってことさ」
読みながら、あー、辛辣~。とか思いましたけどね(w

さて、DXはある決意を固め、新たな物語が始まる。今回の決意に妹のイオンは後押しをするが、さて、どうやってイオンがこの後の展開に絡んでくるかな。それともこないのかな? 興味深く見守ることにしましょう。

いやー、丁寧な物語ですよ。この作品。はい。


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