2007年1月5日金曜日

王狼たちの戦旗 / ジョージ・R・R・マーティン

王狼たちの戦旗 (上) 〈氷と炎の歌 第2部〉
王狼たちの戦旗  (上)  〈氷と炎の歌 第2部〉ジョージ・R・R・マーティン 岡部 宏之

おすすめ平均
stars女性たち!頑張れ!
stars第3部もはやく読みたい

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

王狼たちの戦旗 (下) 〈氷と炎の歌 第2部〉
王狼たちの戦旗  (下)  〈氷と炎の歌 第2部〉ジョージ・R・R・マーティン 岡部 宏之

おすすめ平均
stars誰かアリアを守って!
stars贔屓はだれだ

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


前作<七王国の玉座>のネタバレがあります。ご注意を!

前作、「七王国の玉座」にて、先王が死去。その跡継ぎを巡る陰謀に巻き込まれた北部の領主スターク公は謀反のかどで首を切られ、彼の長子は跡継ぎの王子に対して兵を挙げることに。同様に先王の弟達も兵を挙げ、七王国は一気に戦乱の時代が訪れることに。
一方、南の地では、先王やスターク公が排した前王家の血筋をもつものが、捲土重来のため、虎視眈々と七王国へ手を伸ばしつつあった。また北の地でも蛮族が怪しげな動きを見せていた。七王国の覇権を握るの一体誰になるのか?
そして、バラバラになったスターク公の子息少年少女達を巡る運命やいかに?


と言うわけで、三巻「剣嵐の大地」も出ているのですが、ようやくまとまった時間にこの本を読めたので二巻の紹介を。いやーだって、上下ハードカバーですよ。一冊読むのに3時間強はかかりますから、まとまった休みでないと読めません。それででも読む価値は大ですが! やはり文庫で読むのも捨てがたいですが、酒をちびりと飲みつつ異世界の戦国絵巻を楽しむのはやはり面白い。

そうこの物語は、ファンタジーではありますが、権謀術数愛憎、そして勇気と愚かさが渦巻く戦国絵巻でもあるわけです。特にこの巻ではクライマックスの首都攻防戦の鮮やかさは中々のものです。火で炙られる河口、燃え上がる艦艇。王城に攻めかかろうとする敵に対して、先頭に立つのは…などと、映像化してみたいシーンの連続だったりします。

また、物語としても、複数の登場人物の視点から物語が語られるため、間延びしません。ですから、冒頭のように一見複雑ではあるのですが、並列的な進行が可能なわけです。

謹厳一直、もう少し手際と荒事を是とすればすべてが丸く収まっていたに違いないが、その性格が邪魔をして真実を晴らせなかったネッド・スタークは早々と退場するのも予想外でしたが、その後釜は、醜い小人であるが誰よりも知恵と見識、そして勇気と、実は心根はまともだったりするがあまり周囲には快く思われないティリオン・ラニスターが、代理の「王の手」となって不安定な首都を纏め上げにかかるわけです。彼のトラウマが彼自身の口から出るくだりは思わず同情に値しますわな…。
また、一方、これでもかと不幸な境遇に陥れられるスターク家の子息たち、特にプリンセス・アリアの不憫さといったら、もう(苦笑)。彼女が離れた狼と出会う日はくるのでしょうか。

そんなわけで読めば読むほど、アクの強い登場人物たちの立ち振る舞いが面白くなってきます。
未読の方はまず、文庫からどうぞ。そして続きが耐えられなくなったら、ハードカバーへ。自分はもう3巻を頼んでしまおうか思案中です(w





0 件のコメント:

コメントを投稿