2008年6月12日木曜日

20080612の記録

まーったく本が読めてない生活ってのはそれはそれで荒みますね。
ちょっと週末、体制を立て直さないと…。

※読み直したら文章がおかしいところがあったので加筆修正(赤色)を行っています。(6/12)

#い、今更とはいえ…。
サイバーパンクの傑作ってなんですか?」 from アルファルファモザイク
…またえらく古いエントリがきたな。最初の書き込み2002年じゃないか…これ、読んだ気がないような。

って、読んで気が付いたけど結構絶版本多いのね。 というわけで私的オススメ、サイバーパンクは以下のようになっております。

クローム襲撃 (ハヤカワ文庫SF)
クローム襲撃 (ハヤカワ文庫SF)ウィリアム ギブスン

早川書房 1987-05
売り上げランキング : 46461

おすすめ平均 star
starギブスン入門書
star襲撃的売買。
starやっぱりギブスンはよく分らん

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上のエントリにもあったけど「クローム襲撃」などの短編から入るのがサイバーパンク的にはオススメかと。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)黒丸 尚

早川書房 1986-07
売り上げランキング : 3452

おすすめ平均 star
star暴力と荒廃とハイテクの混沌
star80年代SFの金字塔
star理解できたのは最初まで

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…初めて読んだのは高校生の頃で、当時学校の英語教師にアレコレとスラングとかを聞いていたのを思い出す。しかし、ストーリー、今北産業で説明できそうなんだよな、あれw
しかし、何よりも訳者の黒丸氏の文章がすべきを決定したといってもいいと思う。

重力が衰えるとき (ハヤカワ文庫SF)
重力が衰えるとき (ハヤカワ文庫SF)浅倉 久志

早川書房 1989-09
売り上げランキング : 46620

おすすめ平均 star
star近未来のアラブ世界を舞台にしたサイバーパンク&ハードボイルド・・
star簡単な解決法
starサイバーパンクの傑作のひとつ

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…えええー、エフィンジャーの作品絶版かよ! なんだよ、このプレミア価格(\1500)。
ともかく、サイバーパンクの一つの側面に異文化と技術のハイブリッドもあるので、そういう意味ではこの作品もアラブちっくな世界で非常に面白かったです。

ハードワイヤード〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
ハードワイヤード〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)酒井 昭伸

早川書房 1989-04
売り上げランキング : 652400

おすすめ平均 star
star現実の21世紀は...。って此ればっかだが。

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これがサイバーバンクかっていうとちょっと微妙な立ち位置であることは確かだけど、それでも好きなので。

邪眼(イーヴル・アイズ) (ハヤカワ文庫JA)
邪眼(イーヴル・アイズ) (ハヤカワ文庫JA)柾 悟郎

早川書房 1988-10
売り上げランキング : 820784

おすすめ平均 star
star表題作「邪眼」はかなりの傑作

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サイパーパンク・ムーヴメントがアメリカが巻き起こったとき、日本でも同時進行で柾 悟郎がサイバーパンクと同じ立ち位置にいたことはあまり知られてないんじゃないかと。一応上の短編集、ブルース・スターリングが序文書いているんだけど…俺、好きなんだけどなぁ、あまり回りに読んだって人すくないんです。 ちなみにこの人の「ヴィーナス・シティ」もオススメ。

ヴィーナス・シティ (ハヤカワ文庫JA)ヴィーナス・シティ (ハヤカワ文庫JA)
柾 悟郎

早川書房 1995-12
売り上げランキング : 261735
おすすめ平均

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ラッカーの「ウェットウェア」「ソフトウェア」「フリーウェア」も嫌いじゃないんだけど、ラッカー博士はちょっと人を選ぶよなぁw とかあるので、除外。

基本的にサイバーパンク・ムーヴメントはほんと80年代末期の時代の仇花的な一面もあったと思う。
あれがどうして生まれたかを説明するには、SF史でも読んだほうがいいんだけど…(ニューウェーヴの問題もあるしな)。

今北産業的にまとめると、宇宙に進出しようが何しようが変わらない人間に異を唱えて、地に足付けて技術と人間、異文化(それまでドコまでも言っても欧米中心だったので)との融合が見せる異世界。というのがサイパーパンクの一つの側面だったと思う。
ところが、ブレードランナーの影響か、酸性雨降り注ぐスラム街でジャック・インみたいなベタなサイバーパンクイメージから抜けだしずらかったのも事実だしなぁ。

今から読んでみる。というオススメはあまり出来ない。それは当時のSF状況に対するカウンターな一面もあったので、正直「歴史の一ページ」的な説明になってしまうだろうな、と思うので。

今からでも是非これを読め。というオススメはあまり出来ないな、と思う。
というのも結局サイバーパンクのムーヴメントそのものには、当時のSF小説界のカウンターな一面があったのも事実だったと思うので。過去の名作というレベルではあるとは思うけれど。
確かに70年代のSFにはティプトリィJrの「接続された女」があったけれど、それでも当時の閉塞気味ではあったSF小説界に対するカウンターでもあったとは思う…興味がある方は早川のSFハンドブックとかSF全集をみていただければいいかも。よりSF史に詳しい方は別の意見だとは思うけれどね…。


ただ、サイバーパンクのムーヴメントがもたらした種子は拡散して様々な作家に影響を与えた。
おそらく自分と同じ30代近辺のSF系作家がその影響を色濃く受け継いでいると思う。

文体によるスピード感、ドライブ感、その記号性は冲方 丁が「シュピーゲル」で体現しているし…。
そういうサイバーパンク後の世代の描いたマイルストーン的なものというと、下の作品だと思う。

ブラックロッド (電撃文庫)
ブラックロッド (電撃文庫)古橋 秀之

メディアワークス 1997-04
売り上げランキング : 266290

おすすめ平均 star
starすでに新刊では手に入れるのが難しいのが惜しい
starやばいです! 史上最狂にキている小説
starこれは

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古橋 秀之の「ブックロッド」シリーズを初めて読んだとき、本当にギブスンの「ニューロマンサー」を読んだようなブッ飛んだ衝撃を受けたものです。早川SF文庫で結構絶版が多い今、サイバーパンク・ムーヴメントを追体験するには、こういうサイパーパンク後の影響を色濃く受け継いだ世代の作品をよんでもいいんじゃないかと。あ、こちらも新刊は手に入りづらいか。

というわけで書いてみましたw

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