2008年6月19日木曜日

[ニコマスP私的Pickup] orgoneP

ニコマスネタが続きますが、好きなPを集中的に取り上げてみようと思い立って書いてみたのが下のエントリだったりします。これまた長くなりそうなので興味のある方のみ続きを読んでいただくのがいいかもしれません。

最初のとりあげる人は誰にしようか・・・とマイリスト見ながら思っていたのですが、やはり一番最初に個人的に衝撃をうけた人でいこう。実はデビュー1周年だし…ついでにアレだし?というわけで…

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ちょうど一年前、それまで「おっさんホイホイ」タグ経由でしかニコマスを知らなかった自分が加速度をつけてニコマス動画に激ハマリしていく羽目になった動画がアップされました。

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2007年06月19日 07:54:58 投稿
モニタ前で思わずリズムとっちまったらオレの勝ちなんだぜ。

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と挑発的(wなコメントと共にアップされたのが下の作品。



James Brownとアイマスという異色のコラボ。通常のMADが曲+アイマスキャラのダンスシーンだった当時、JBのライブ映像+ダンス映像のコラボも見せて脅威のグルーヴをかもし出してました。誰が呼んだか、別名「負け動画」。

それを作り出したのがorgoneP (オルゴンP)。

詳しくは「The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWiki」のorgonePの欄をみてもらえるといいのですが。
http://www33.atwiki.jp/imas/pages/167.html



デビュー時期を考えれば10本弱と、わりと公開作品のすくなめなPといえますが、ニコマス界の中でもトップアベレージのセンスで他者の追随を許しません。
今では"抜き"と呼ばれる背景画像を切り抜いたアイマスキャラを使った動画がわりと多く見られますが、orgonePはわりと初期にブルーバックで動画アップして見せています。
(それも二作目で!)

南国の海とアイマスとMONDO GROSSOという組み合わせで、コメントにもwikiにもあるようにまるで旅行会社のイメージビデオかってノリです。
この"抜き"。他のPの抜きが基本的にはキャラを背景から独立させる方法なのは先にも書きましたが、その際にどうしてもキャラとその後の背景のギャップが生じてしまう。
わかむらP、慈風Pといった"抜き"が多いPはその場合、背景を思い切り白にするか、黒くしたり、光源系のエフェクトをかけてそのギャップを生じなくさせてしまいます。
ですが、orgonePが選択した方法は重ね。
髪を背景の海の画像に重ねて解け合わせてしまう方法です。
冒頭のヴヴィッドな赤いハイビスカスの色使いなどで観ている者の視界を釘付けにしたと思ったら、音楽のリズムに合わせていきなりブルーをベースとした画像に持っていく…。鮮烈な動画です。その後もダンスシーンを織り交ぜながら南国の風景を切り取っていく。そして舞台を夕闇へと誘っていく…。ほんと綺麗な映像です。
その後、数ヶ月おきに作品がアップされていきます。そのスタイリッシュなセンス、クールな色使い、MONDO GROSSOやDoopとかをもってくる曲の選曲、どうも他のMADとは違う雰囲気をかもし出しています。

このアクエリオン主題歌(英語版)が有名です。この動画、今でもたまに見るぐらいのお気に入りだったりします。
あと、CMというには手の込んでいる作品も。

orgonePの作風は、他のニコマスP達に比べるとどことなく異質です。それは基本的にアイマスMADという領域内にいながら、orgonePのバックグラウンド(嗜好とかそういう意味で)が、他のPとは違うような気がします。どちらかというと海外のスタイリッシュなセンスの高いPVを見ているようなノリ。
"描いてみた"系とは違って独自画像素材を多用する点もそうですし、タイポグラフィの大胆な映像に対する組み合わせもそう(JBのころからそうでした)。大体色使いのセンスも他のPとは微妙に異なります。プロ疑惑が出るのもむべなるかな。DTVかVJ畑の人かなぁと思うんだけど…。
わかむらPが奇しくも語っているように、ニコマスMADは基本的に「ベタ」な色使い、画面構成、動画展開が可能な造りです。元々モーションキャラとはいえアニメ的キャラがダンスをしているわけです。いざとなれば(その技術がうれば)アニメOP/EDのような動画だって作れるし、現にそういう作品は数多い。
それは見ている人達の大半が日本人であるが故に、それまでのアニメの画面構成、アイドルPVの画面構成といった、暗黙知的(お約束、とも言いますが)なバックグラウンドを持っているせいでもあります。
つまり、ここまでやれば、こういう風なイメージを惹起したいんだよ。っていうメッセージを作り手も送り手もやり取りしているんだと思います。だっていくら抜いたりなんだりしても結局はアイマスキャラを使っている以上限界は生じるのですから。
ですがorgonePはそれを大きく逸脱していく作品をときに送り出してくる。

もう、なんていうか、ここまでくるとMAD云々じゃなくてアイマスを素材にした一つの映像作品になってきます。
この作品を観る前に、アイドルマスターの作品世界における如月千早の物語がどういうものであるかを知れば、彼が作り出したモノクロームの映像がプロデューサーと出会う前であろう彼女の心象風景であることを示唆しているだろうということはわかりますが、アイマス成分が少ないのも確か。
ぶっちゃけ、自分も最初「またorgoneP、極端なシロモノを…」と思ってましたけど、実際にアイマスをプレイして千早でクリアしてこれを見ると、ああ、なるほどね。と頷いてしまったり。様々なPが千早の物語を描いているので実際にプレイしなくても千早の物語がどうであるかを知る人は多いのですが、さらに実際にプレイすると、基本彼女の立ち位置は孤高というより孤独なのがより分かるわけですよ。それを独自映像をベースに描いている。
ラストシーン間際、河辺を飛ぶ鳥を捕らえているのですが、その鳥は飛び立つのではなく周囲を飛ぶだけ。まだ飛び立てない…とイメージを促しているようです。
��
MAD製作者達の中でも色々なパターン、アプローチがあると思います。
例えば自分のキャラに対する愛情を昇華させんばかりの勢いで(まぁ、つまり、俺ならこんなプロデュースをする、みたいな)動画を作る人。自分の好きな音楽でキャラを躍らせてみたい人。シンクロベースな人、エフェクトベースな人な人も。
そして肝心なのは、アイマス作品世界にとどまることを選択するか、逸脱=自分の作品世界に取り込むことを選択するか。二者択一ではなくて、複数の要因の複雑に絡み合って作品は生み出されます。一人のPの中でも作品によって、取り扱うキャラによってその割合が変わるのはありがちな話です。
他のPの話になりますが、特定のキャラに対する愛情が強いPほど違うキャラを取り扱ったときに客観的になれるせいか、それまでとは違った作品になりやすいですね。この話はまたいずれ取扱いたいですけど。
orgonePはそういう中でも、基本的にはアイマス作品世界とは別に自分の世界を作り上げていくタイプの人ではないかと思っています。もしくは既にある自分の作品世界という引き出しにアイマスを組み込んでいくタイプの人と言うべきか。
ニコマス界の中でも屈指のスタイリッシュなセンスと引き出しの多さ、高レベルな映像加工技術を持ち合わせた稀有なPだと思います。
(このタイプのPの極北にはえこPが存在すると思うのですが、えこPフォントなどを見ていると「もはやアイマスという名を借りた動画素材」っていうか、曲+アイマス画像という正統系MADを激しく逸脱しちゃってます…。
そういえばプライベートでも親しいみたいで、えこPフォントについてくる壁紙も作っていたり(実は自分の今のPC壁紙はこのorgonePのあずさ壁紙だったり)、blogにも二人でイベントにいったりしているという記述もありましたね、たしか)
で、そんなorgonePの最新作が下の作品。
冒頭に話をした、iDOLM@STER feat. AZUSA LIFEがセルフ・リプロデュースで戻ってきたからですよ。さらに強烈になって!

それまで色の問題で一人抜けていなかった真の髪も青に透過させて作られたこの作品。なんで来月公開にしなかったんだろう? ああ、夏も近いから1ヶ月前の今でもいいのかもね。と観ながら思ってもいたり。
…で、ここでこんなのを書いていて衝撃だったのが、先日行われた24時間アイマスTV!の1時間おきに流される告知導入を兼ねたCM動画。冒頭にそれぞれPが受け持ってタイトルコールを担当していたのですが、Pたちが自声でコールするのを聞きながら「あー、緊張してるなー」とか「うは、ディープP、いい声してるなって、あずさは俺の嫁言うなww」とかコメントつけてながら聞いていたのですが、衝撃の事実が。

…ちょ、ちょっとwww orgoneP、その声は! ボイスチェンジャーだよな?w
タグにまで「衝撃新事実」とまで書かれる始末! それは俺も予想外ですよ…ネタか、ネタなのか!?(ってコレ書いていたら、やっぱりネタらしいw
真実は知りませんが、CM動画見た中で無茶苦茶驚いたよ、俺…。(DSPも、だけど)
追記。
公開されているorgonePのマイリストも結構興味深いです。興味がある方は覗いてみてもいいかも。
追記の追記。
で、実は最初のJB&アイマスの動画をUpしたのは2007/6/19。というわけでデビュー1周年だったりします。おめでとう、orgoneP。これからもいい作品を待っています。
ちなみに24時間アイマスTVのCM動画でどの時間帯にどのPが担当していたかはwikiで告知されていますのでそちらをどうぞ。タイムテーブルで直接飛んでもいいですけど、CM動画もネタ満載ですw
http://www33.atwiki.jp/imas/pages/1031.html

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