に遭遇する羽目になった。
オタクの中でも、ディレッタンティストの成分が含まれていれば会話は弾むのだが、完全に知識のみで世界が構築できると信じている、スペックを記憶し、ひけらかすことがこの世の黄金律だと信じて疑わない頭の良いバカ(なまじ頭が良いくせに使い方を知らないのだから、タチが悪い)に出会う。
頭が痛いのは、客先で自分とこの商品導入を蹴っ飛ばしかけてくれているのがコヤツだということで、建前上は穏当な口調で話す羽目になってしまう――しかし、なんですね、今まで色々と面白い人には出会ったけれど、これほど困ったチャンで、社会人としての常識をどこか果てに置いた人物に遭遇したのは生涯で二度目です。
良くこれで社会人として通用できるもんだと思うけれど、地方だとこういうのでも淘汰されないのだろうなぁ。周囲の人々はみな困っているとは聞き及びましたけど。
SEであれ、エンジニアであれ、まっとうな、一流の、ある程度経験を積んだ技術者は何がしかの哲学があります。
畢竟、プロフェッショナルな技術者とは、技術のほかに哲学や規範をもつ人のことをさすのだと思います。
無論、プロフェッショナルな人々は自らの技術に自信を抱いています。とはいえ、一部のプロな技術者と言えども、避けられない悪癖があったりします。それは、一つの製品やものに対する信仰です。信用し、信頼するのは構いませんが、信仰だけはしてはいけないのだと自分は思っています。技術や製品はあくまでツールなので、エンドユーザーやクライアントにとって最善なツールやシステムを提供するためには、***(例えばそれが、VBだとかCだとか今ならjavaか)でなければいけない。ということはないのです。ところが、得てして、それが発生してしまう。
自分としては、ユーザーにとって望むもの、最善なもの、維持しやすいもの、そういったプロダクトを提供したいと思いますが、いかんせん、知識だけに囚われるとなまじな高性能さばかりに目を向けがちになってしまう。
(もっとも、そういう要望は要望で実現化の方向へ向かっていかねばならないと自戒してますが)
オタクであればそれで飯を食べているわけではありません。全うなオタクであれば、自らの知識と現実が乖離していることを知っているものですが、これが妙なところで現実社会と接点を持ってしまうと、この乖離しているということを意識しない場合がおおい。それを埋めるのがソフトやシステムであり、それらを作るエンジニアやメーカーであるということを考えようともしない。
アマチュアとプロは共存できますが、マニアとプロは共存できません。それは現実を知らない側面で理想だけを語るからです。生半可な知識が世界のすべてを律すると信じているからですが。無論そうではないオタクの人々もいますので念のため。
知識では世界は動きません。カタログスペックがどれだけすばらしくとも、それが決するのはしっかり練られた運用面でのアプローチがあって初めて成立するのです。ところが、何も定まっていない架空の仕様(おそらくは違う業者の言いなりというか、そういうものにどっぷりハマってしまっているのだとは思うのだけれど)が最善だと信じてしまうところに話のややこしさがあります。
いやもう、本当にイタいオタクでしたよ! もう!(噴飯もの)。自戒をこめてこれを書いておこう。
0 件のコメント:
コメントを投稿