2006年8月30日水曜日

Under the Rose / 船戸 明里

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ヴィクトリア朝、産業革命による英国の栄華の頂点なりし時代。しかし、その背後には陰鬱とした闇があった。
没落貴族の子弟であるライナスとロレンスは実父である貴族のロウランドが引き取られることになった。粗野なそぶりを見せるライナスだったが、彼には彼の事情があり、複雑な家庭環境であるロウランドの屋敷の中で亡くなった自らの母親の死の原因を探していたのだ。二転三転する事実。ライナスはそこで、思わぬ形での結末に遭遇する――「冬の物語」

ロウランド家で家庭教師(ガヴァネス)の職につくことになったレイチェル・ブレナン。しかし、子供たちは彼女に心を開くことはなかった。期限である一週間までに子供たちに学問を教えることが出来なければ折角の働き口を失ってしまう。真摯に子供たちに対峙するレイチェルだが、その彼女を見つめるロウランド家次男、ウィリアムの視線があった――「春の賛歌」

というわけで、ヴィクトリア朝イギリスを舞台とした物語ですよ。陰鬱ですよ。灰色というよりは鉛色の空ですよ。やはりイギリスを舞台にした作品はこういう暗い側面がないと!(なんたる偏見)

作者の達筆な画力と、巧妙にミスリードしたり展開させてしまう物語の語り口など、なんとまぁ質の高い作品だと思いましたね。ようやく読むことが叶いました。もっと早くに読んでおけばよかったなぁ。

というわけで、「エマ」だけじゃなくてヴィクトリア朝を舞台にした作品にはこういうのもあるのだよ、というわけで未読の方は是非。


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