2004年10月8日金曜日

「絶望に効くクスリ」2巻 山田玲司/小学館

「絶望に効くクスリ」2巻 山田玲司/小学館 【 Amazon / bk1




絶望に囚われた人々に、届く言葉を。というわけで、クリエイターなど著名人の話を聞こう。ってな企画のネタで、前Babylon C@fe.(現、Annex)のログでも1巻を取り上げたのだけれど→ 今回はその2巻。
グリーンピースをめぐる話は、本音を言えば自分は物質社会をある程度肯定している。そのためあまり肯定する気にはなれないけれど(否定はしない。なぜなら、反対勢力を許容しない体制はおかしいからだ)、そういう中でも「ああ、そういう考え方もあるのね」と捕らえることは出来ると思う。耳あたりいい言葉だけじゃ人間は腐るし、考えなくなるからね。
この作品の中で一番の衝撃は東京で家庭内に問題のある子供たちを預かって育てる里親制度で、子供たちの面倒を見ているある家族、その奥様のインタビューだった。
奥様は笑って言う。「生きたければ、私を憎んだっていい」と。
子供が出来ない(らしい)中、養子縁組ではなく、仮初の里親(一時的に預かる)制度の中で、子供たちを育てていく。ハタから見れば"普通"であるはずの家族から受ける嫌がらせや迫害の中で、傷つき、それでも子供たちを預かって、育てていく。ちょっとやそっとの事じゃできませんぜ、これは。一番の衝撃でした。
これを見ていると、子供が出来なくて代理母などの方法によって出産する方法もある意味、"血"にこだわる行為なのかもなぁ。なんて思ったりして。正しい、正しくない、ではなくて、技術のおかげで、子供が出来なかった家族にも出来るようになったのはひとつの事実だし、それは喜ばしいことだと思う。それでも、ちょっと「家族」ということを考えてしまいましたね。

ともかく、そんないろいろなことを考えさせてくれるこの作品、まぁ、絵柄が気に食わないとか、作者が自意識過剰とか、そんなことは置いといて、一度読んでみてはどうだろうか。

#実は本音を言うと、この作者のある意見には自分も全面的に賛成しているので、こうプッシュしまくっているのだ。

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