2006年7月10日月曜日

"知りたい"エネルギーはありますか?

Something Orangeの7/8日付けの日記を読んで、「うーむ・・・」と思ってしまうのでこちらもメモとして。

孫引きではありますが、ちょっと引用。
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昨今のヲタクカルチャーや萌え文化には、オリジナリティー追求と古典への回帰意欲が弱すぎる。
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つまり、「ネギま」でもそうだし、「BLOOD ALONE」や「ヘルシング」を読んでヴァンパイアに興味を持ったら、どうしてブラムストーカーに行かない。ってことだが、うーん、これはちょっとあるかなぁ。何か、「SF語るなら100冊読んでからこい」みたいなノリでちょっと引くんですがね。

例えば「ハルヒ」で言えば、多分キャラ配置としてはエヴァになぞらえる人もいるかもしれないし、自分はパッと見SOS団が「究極超人あーる」でいうところの光画部みたいなノリかなと感じたし、物語そのものとしては「ビューティフルドリーマー」であるかもしれない。
いやいやもっと本質的なところのSF領域やなにやらでは完全に人間原理やらイロイロと持ち出すことが出来るだろうし、そういう側面で哲学やSF、過去の作品に流れていくのか・・・といえばそれは薄いかもしれないな、と思います。まぁ、そこらへんは重度にハマった人が行けばいいか、という気もします。ちょっと言い方かえると「面白いかもしれないが、オススメはしない」ってとこかな。

とはいえ文中の一例としてあがっている「新撰組の作品を書こうとしている新人漫画家さんが、『燃えよ剣』などの先行作品も読んでいない。ただ、大河ドラマを見てファンになっただけ」というのは「教養主義衰退の一側面」かって言われるとそりゃどうよ。っていう気もするんだよなー(単なるプロ意識のないアマチュア上がりでしょ、としかいいようがない。せめて新撰組書くなら「風光る」をサラリと読んで渡辺 多恵子氏の後書きで書かれているその苦労っぷりをちょっとは見てもバチはあたるまいと思うのだが、プロはああいうレベルまでいってプロ足りえると思うのだが)。無論、このエピソードは末葉の話のことですが。

古典・・・クラシックは重要ですが、如何せん、この世の中の情報量では必然と「欲しい情報」に対するハードルがかなり落ちてきて、ネットに繋いでググって見せれば、表層的な情報は手に入るわけですよ。でもそれはあくまで表層でTips満たいなシロモノだから、Knowledgeにはならない。Knowledgeは自分の手足と頭で考えなきゃいけない。昔は、そういう「欲しい情報」に対するハードルが高かったものだから、必然とKnowledgeを手に入れるためにレベルを上げなきゃならなかった。レベルを上げるためには古典など過去の文脈を押さえる必要があった。それが故に「明治の学生はラテン語が読めた」という形になったんだと思うんだよな。今じゃラテン語覚える必要性があるかって言われると果たして疑問だし。

だから、何も古典に戻るほどめんどくせーことはないと思っているのかもしれません。事実、自分もそんな側面はあります。ま、本当に知りたかったら、調べますよ。昔、矢作俊彦氏の著作を読んでさらりと「OASくずれの・・・」とか「マイク・ホー」などの記述が出てきて、ちょっと調べてみたりとか(興味のある方はコンゴ動乱とかぐぐってみることをオススメ)、主人公が使う示現流について、アレコレと図書館で古武術調べたりしたものですがね。本当に好きなら追いかけますよ、きっと。

とはいえオタキング岡田氏が以前語ったように、オタクとは目利き。という側面が今ではオタクとは消費者。という形になってしまったのだと思います。良いか悪いかはさておきとしても。

まぁ、でもあまり深刻には思ってません。

エッジだった"何か"が広範囲に広がった証しであり、広がればどうなるか、自分は300bpsでネットにしこしこ繋いでいた時代から知っているので、こういうのは古泉君よろしく肩をすくめるか、キョンのように「やれやれ」というべきなのを知っているからです。
その中にスタージョンの法則よろしく本質を知る連中が一定数現われるわけですから自分はあまり心配はしないのです。大体、現在が過去の劣化なら今はどうなるのだろうっていうのと、江戸時代の文章に「昨今のワカモノは・・・」に似たくだりを読んで、失笑してからというもの、この手の論議は、昔の人も同じこと言ってましたよ、というしかないのですよ。

とはいえ、誰か他人様のことはおいといて、自分のことですよ。知らないことは面白い。そう思い続けたいですね。で、誰かに知っていることを共有してもらいたい、っていうのはあるかもなー。だからこんなblogやっているわけだし。

ま、「へうげもの」の古田織部のように「げひひひ」と自らの趣味に走って生きる生き様ってのは中々果たせないが、望んでみるにやぶさかではないのですよ、いまだ、ね(w


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