2006年6月26日月曜日

臆病者のための株入門 / 橘 玲

臆病者のための株入門
臆病者のための株入門橘 玲

文藝春秋 2006-04
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不道徳教育 「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計 永遠の旅行者 (上) 永遠の旅行者 (下) 世界にひとつしかない「黄金の人生設計」



 実は昨年から投資信託していたんですけど、元々1年間の成果を見てこの後どうしようかを考えていたので、自分に金融リテラシーの初歩を教えてくれた筆者の最新作、ということもあって購入。ようやく読むことが出来ました(新書なので読めば瞬く間、なのですが)。

 昨年も結構株ブームで、結構自分もイロイロ読んだのですが、まー、なんですね、結構難しいんですよ。本当に。
 しかし、この本だとバッサリと冒頭の数章で語られて、あれま。というオチなんですが、つい昨年あった株の誤発注で巨額の富を得たデイトレーダー(27歳)の事例がどうして発生したのか、から始まり、ライブドア問題がどうして問題なのかを判りやすく説明し、その上で株式評論家の胡散臭さをバッサリ(w。

 明確に言うと、「株投資はギャンブルである(それもワリと効率のいい!)」という観点から、ではこのギャンブルにどうやってアプローチするか、というのが後半のお話。


 一般に株の入門本は自分がサラっと読んだかぎり、大まかにわけて

・デイトレード含むトレーディング(その日の株の上がり下がりを利用する、まぁ、簡単に言えば心理ゲーム&ギャンブル)
・個別株長期投資(ちゃんと四季報読んで会社の展望を理解したうえで会社に投資する)

の二通りがメインですが、この本では三番目の方法の、あまりにあまりな(ぶっちゃけすぎな)インデックスファンドについてかなりの説明をしています。
このインデックスファンド、株の上がり下がりなんざ突き詰めれば所詮統計と確率論なんだから、現在の株式市場の割合と同等の配分で購入すれば、市場の平均値にしたがって利益が出るだろ?という、金融業界のファンドマネージャー達の存在意義を真っ向否定する身も蓋もない論法(その論理から大儲けもでないが損も極限できる、正しく臆病者のための株投資方法だ)。

まぁ、他にもイロイロありますが、この人の身も蓋もない論調は、「投資は大人のゲーム」と言い切っているところがあって、多額のローンを抱えているなら株やる前にローンを繰り上げ返済しなさいよ。という、ちゃんとしたことも書いていて、本当にタメになりましたよ。

株をやるかやらないかはともかくとして、手っ取り早く株式投資の本質を掴みたい、もしくは自分の認識が間違っていないか確認したい、という方にはオススメの本です。また作者のスタンスを理解するのにも役立ちます。この人の前々からの持論である「生命保険は宝くじと同じ」や不動産に対する考え方もちゃんとかかれていますしね(w

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